9月末、国土交通省よりマンションの長期修繕計画や管理に伴うガイドラインが公表されました。これは、来年2022年に改正されるマンションの管理適正化推進に関する法律を踏まえたものです。
マンションの「管理」が変わることで、今後、マンションの価値や売れやすさに影響を与えることも考えらえれます。
マンション管理適正化法の改正は、実に20年ぶりのこと。この20年で、マンション暮らしの人が増え、全国的にマンションの老朽化も進みました。
それに伴い「管理不全」に陥っている、あるいは今後陥る見込みが高いマンションの存在が、社会問題にもなっています。
2022年4月、「管理計画認定制度」が始まります。この制度は、自治体がマンションの管理に対して認定基準を満たしているかどうかジャッジするというもの。評価対象は次の通りです。
各チェック項目にポイントを配点し、S・A・B・C・Dのランクでマンションの管理を判定します。
来年4月の法改正を見越し、国土交通省では長期修繕計画に伴うガイドラインを公表しています。
主な内容は、次の通りです。
マンション管理適正化法改正の目的は、管理不全化するマンションの抑制です。
管理を健全なものとするためには、当然ながら費用がかかり、抑制するにあたっての評価によってマンションの「価値」にも影響を与えるでしょう。
改正により、「望ましい」とされる長期修繕計画の期間が延長します。これにより、管理組合はこれまで以上に長期の計画を策定しなければならなくなり、これに伴う費用が上乗せされるマンションも出てくるものと考えられます。
現に、国交省によるガイドラインでは修繕積立金額の目安を引き上げていますので、来年度以降、積立金額の改定を行うマンションは一定数あるでしょう。
これまでも、マンションの管理状況については、不動産売買にあたって買主に報告されてきました。しかし、専門機関が作成した報告書を見て、管理状況が適正か否かを判断できる一般消費者は少なかったものと考えられます。
改正によって、自治体がS~Dまでマンションの管理状況をランク付けすることにより、管理の指標が明確化します。わかりやすくなることは買主にとっても市場にとっても良いことだと考えられますが、ランクが低いマンションは資産価値低下に直結しかねません。
このランクを上げるためという観点からも、管理費や修繕積立金を引き上げるマンションが出てくることも考えられます。
中長期的に、マンションの「管理」が資産価値や売れやすさに与える影響というのはどんどん大きくなるものと推測されます。それは、国をあげて管理の質を良くすることを推進しているからです。
来年の改正は、その大きな第一歩。マンションの売却をやマンションへのお買い替えを検討されている方は、マンションの管理にも目に向け、売買時期を考えてみましょう。
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