数年前から危惧されていた「2022年生産緑地問題」をご存じですか?
生産緑地とは、簡単にいえば農地。生産緑地問題とは、2022年にこの農地が一斉に宅地化し、市場の需給バランスが崩れ価格崩壊が起きるのではないかといわれている問題です。
生産緑地は農地ではありますが、単なる農地ではありません。生産緑地法によって指定された三大都市圏の市街化区域にある農地です。
つまり、東京など都市部にある特殊な農地ということ。生産緑地には「30年間」の営農規定があり、全生産緑地のうち約8割が2022年に満期を迎えます。その広さ10,000ha近く。東京ドーム2,000個以上に相当するといわれています。
満期を迎えた生産緑地は、これまで大幅に軽減されていた固定資産税が宅地並みに。そのことで、一斉に売却が進むのではないかと危惧されているのです。
営農ができる土地ということですから、生産緑地には次のような特徴があります。
これに加えて、都市部にあるということ。これらは、宅地としても非常に好条件だといえるでしょう。
2022年に都市部の好条件の土地が一斉に流出することが危惧される生産緑地問題に際し、国による対策が進み、2017年には生産緑地法が改正されています。
主な改正点は、上記の通り。③の「特定生産緑地制度」とは、生産緑地指定が10年延長されるというもの。面積要件および建築規制の緩和で営農のハードルを下げることにより、生産緑地指定延長を選択する所有者を増やす狙いがあると考えられます。
国土交通省による生産緑地を有する自治体に対する調査によれば、特定生産緑地の指定見込みは2021年12月時点で全体の86%。「指定の意向なし」は全体のわずか7%に留まったということです。
地域によってバラつきは見られますが、東京都の指定見込みは92%と全国で最も高く、埼玉県、千葉県、神奈川県も85%を超えるなど高水準です。
2022年に満期を迎える生産緑地のすべてが市場に出ることは免れそうですが、エリアによっては、依然として好条件で広大な土地が市場に出る可能性はあります。86%が指定見込みということは、逆にいえば残りの10%強はいまだわからないということ。周辺に大規模マンションが建つなどすれば、そのエリアの不動産価格が影響を受ける恐れもあります。いずれにしても、しばらくは注視が必要だといえるでしょう。
2022年は、生産緑地問題以外のところが要因となって不動産相場価格の動きが大きくなることも予測されます。日経平均は2月22日、約1ヶ月ぶりの安値で終えました。緊迫する世界情勢、いまだ出口が見えない新型コロナウイルス感染。そして、周辺エリアの不動産受給バランス。不動産価格は、様々なことに影響を受けるものです。
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